電車線の世界へようこそ

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電車線とは

皆さんは「電車線」というものをご存知でしょうか?
普段何気なく利用している電車に電気を送るための電線を「電車線」と呼んでいます。

例えば、下の写真のように電車の屋根の上には「パンタグラフ」と呼ばれる装置が付いています。
このパンタグラフに接触している電線が電車線(トロリ線)です。

写真のトロリ線を見てみると、トロリ線が光っているのが分かるかと思います。
電車が走るためには、「トロリ線→パンタグラフ→電車」へと電気を送る必要があります。したがって、トロリ線とパンタグラフは離れてはダメなので、ぐーっと押し付けながら走行しています。
トロリ線は銅(硬銅)で出来ていますが、パンタグラフがこすり付けられることで少しずつ摩耗し、削れていきます。そのため、トロリ線はピカピカと光って見えております。

ちなみに、この写真は新幹線の写真でした。
新幹線は高速で走行していますが、高速で走行していてもパンタグラフがトロリ線から離れないように、様々な検討がなされております。
技術的には、パンタグラフがトロリ線から離れることを「離線」と呼んでおり、ある一定区間を走行する間に離線している時間の割合を「離線率」と言います。
この離線率は、高速走行を実現するための重要なパラメータのひとつでもあります。

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トロリ線について

トロリ線は、パンタグラフが離線しないように、スムーズに走行できるように、レールに対して平らに架設する必要があります。
そのまま電線を吊っても、だらんと垂れて真っ直ぐには架設できないので、トロリ線の上にちょう架線という別の電線を架設し、ちょう架線から吊り下げることでトロリ線をまっすぐ架設しています。
そのため、下図のように、トロリ線には吊り下げる金具を付けるためのミゾが左右に付けられています。
実際の写真は、下記リンク先にて見ていただけると良いかと思います。
普段見ることが無いものだと思いますので、面白いかと。

◆トロリ線(株式会社プロテリアル様HP)
https://www.proterial.com/products/infr/en/trollley.html

トロリ線の断面図

レールに合わせて真っ直ぐ

最後は余談に近い話ですが、
上でも書きましたが、電車線(トロリ線)は、パンタグラフがスムーズに接触できるように「レールに合わせて真っ直ぐ」に架設する必要があります。

例えば、トロリ線の勾配が在来線では3‰、新幹線では1‰以下になるように管理されています。
※‰(パーミル):1/1000のこと (例)1mで1mmの高低差だと1‰

ミリ単位の調整をして、安全に電車が走れるように電車線は架設されています。

電気オタク→電車線オタクという変遷を辿っている私としては、高い精度で管理されている日本の電車線を少しでもアピールできればと思うところです。

ここまで呼んでくれた方はありがとうございます。
そして、

電車線の沼へようこそ笑

これからも、少しずつ、電車線のことを紹介していきますので、末永くよろしくお願いいたします!

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